外壁塗装の期間は平均して10日〜14日程度
外壁塗装を検討し始めたとき、まず気になるのが「一体、何日くらいの期間がかかるのか?」という点ではないでしょうか。結論から申し上げますと、一般的な30坪前後の戸建て住宅の場合、外壁塗装にかかる期間は10日から14日(約2週間)が目安となります。これには、足場の組み立てから解体、最終的な清掃までのすべての工程が含まれます。
もちろん、建物の大きさや劣化状況、天候によって多少前後はしますが、2週間程度のスケジュールを確保しておけば、大きなトラブルがない限り工事は完了します。本記事では、この10日〜14日の間にどのような作業が行われているのか、具体的なスケジュールと、期間が延びてしまう要因について詳しく解説していきます。
【工程別】外壁塗装の標準的なスケジュール(10日間〜14日間の流れ)
外壁塗装は、ただ色を塗るだけの作業ではありません。下準備から仕上げまで、多くの工程を積み重ねることで、10年、15年と長持ちする塗装が完成します。ここでは、一般的な工事の流れを日を追って見ていきましょう。
1日目:足場の設置・飛散防止ネットの装着
工事の初日は、職人が安全に作業するための「足場」を組み立てます。また、近隣の家に塗料や洗浄水が飛び散らないよう、足場の外側にメッシュの「飛散防止ネット」を張ります。この作業には、朝から夕方まで丸一日かかります。金属製の足場を組み立てるため、大きな金属音が響くのがこの日の特徴です。
2日目:高圧洗浄
外壁に付着したカビ、苔、古い塗膜の粉(チョーキング)、埃などを、高圧洗浄機で一気に洗い流します。この工程を疎かにすると、新しい塗料が壁に密着せず、数年で剥がれてしまう原因になります。洗浄後は壁を完全に乾燥させる必要があるため、その後の乾燥時間も重要です。
3日目:下地処理・養生(ようじょう)
壁のひび割れ(クラック)を補修したり、シーリング材(目地)の打ち替えを行ったりする「下地処理」を行います。また、窓や玄関ドア、エアコンの室外機など、塗料が付いてはいけない場所をビニールやテープで覆う「養生」作業もこの段階で行われます。この養生期間中は、基本的に窓を開けることができなくなります。
4日目:下塗り
いよいよ塗装の工程に入ります。まずは「下塗り(したぬり)」です。これは、外壁材と後から塗る主剤(中塗り・上塗り)を密着させる接着剤のような役割を持つ塗料を塗る作業です。下塗りが不十分だと、いくら良い塗料を使っても長持ちしません。
5日目:中塗り
下塗りが完全に乾いたら、次は「中塗り(なかぬり)」です。ここでようやく、お客様が選んだ希望の色が登場します。中塗りは、塗膜に厚みを持たせ、色ムラをなくすための重要な工程です。
6日目:上塗り(仕上げ)
最後に、3回目の塗装である「上塗り(うわぬり)」を行います。中塗りと同じ色(または微調整した色)を重ねることで、美しい光沢や発色を引き出し、塗膜の耐久性を最大まで高めます。「3回塗り」が外壁塗装の基本と言われるのは、この工程があるからです。
7日目:付帯部塗装(軒天、雨樋、破風など)
外壁以外の部分(軒裏、雨樋、雨戸、水切りなど)を塗装します。細かい部分の作業になるため、職人の技術が試される工程でもあります。
8日目:修正作業・点検(完了検査)
全ての塗装が終わったら、養生を剥がし、塗り残しや塗りムラがないか、細かくチェックします。必要に応じて手直しを行い、最終的には施主(お客様)と一緒に確認を行う「完了検査」を実施します。
9日目〜10日目:足場の解体・清掃
最後に足場を解体し、周辺の清掃を行って完工となります。足場がなくなると、新築のように生まれ変わった我が家の姿を確認できます。
外壁塗装の期間が延びる5つの原因
10日〜14日が目安と伝えられていても、実際には期間が延びてしまうケースが多々あります。その主な要因は以下の通りです。
1. 雨や強風などの天候不良
外壁塗装が最も影響を受けるのが「雨」です。塗料は湿度が85%以上、または気温が5度以下の環境では施工できないという基準があります。雨が降ればその日の作業は中止となり、壁が乾くまで次の工程に進めないため、工期が数日単位で延びることは珍しくありません。
2. 住宅のサイズや形状
30坪程度の家と、50坪を超える大きな二世帯住宅では、当然ながら作業面積が異なります。また、壁の凹凸が多い複雑な形状の家や、3階建て以上の住宅も、足場の設置や塗装に時間がかかるため、工期は18日〜21日程度かかる場合もあります。
3. 外壁の劣化状況
ひび割れが非常に多い場合や、古い塗膜がボロボロに剥がれている場合、それらを補修する「下地処理」に数日を要することがあります。下準備を丁寧に行うほど、トータルの期間は長くなりますが、その分仕上がりと寿命は向上します。
4. 屋根塗装を同時に行う場合
外壁だけでなく、屋根の塗装も一緒に行う場合は、プラス3日〜5日程度の期間を見ておく必要があります。ただし、足場を一度組むだけで済むため、別々に行うよりもトータルの工期と費用を大幅に抑えられるメリットがあります。
5. 季節(特に冬場や梅雨)
冬場は日照時間が短く、塗料の乾燥にも時間がかかるため、夏場に比べて工期が長くなる傾向があります。また、梅雨時期は雨による中断が多いため、予定通りに進まないことが想定されます。
工事期間中に知っておきたい「日常生活」への影響と対策
外壁塗装の期間中は、普段通りの生活ができない場面が出てきます。ストレスを最小限に抑えるためのポイントをまとめました。
洗濯物が外に干せない
高圧洗浄中や塗装作業中は、水しぶきや塗料、臭いが付着するため、外に洗濯物を干すことができません。約10日間〜2週間は、部屋干しかコインランドリー、乾燥機を利用することになります。業者によっては「この日は干せますよ」と教えてくれる場合もあるので、事前に確認してみましょう。
窓が開けられない(換気が制限される)
養生期間中(約3日〜1週間)は、窓がビニールで覆われるため、開閉ができません。特に夏場は室温が上がりやすいため、エアコンの使用は可能かどうか(室外機を養生しても稼働できるか)を事前に業者に確認しておくことが非常に重要です。
塗料の独特な臭い
最近は臭いの少ない「水性塗料」が主流ですが、それでも塗装中は特有の臭いが発生します。化学物質に敏感な方や、ペットを飼っている方は、より低刺激な塗料を選んでもらうか、作業が集中する日だけ外出するなどの対策を検討しましょう。
プライバシーと騒音
足場があることで、2階の窓の外に職人が立つことになります。カーテンを閉めておくなどの対策が必要です。また、足場の解体時や洗浄時は大きな音が出るため、在宅ワークなどをされている方は注意が必要です。
工期を短く、スムーズに進めるためのアドバイス
誰しも「工事は早く終わってほしい」と思うものですが、工期を無理に短縮させることは、塗装の品質低下につながるため避けるべきです。一方で、無駄な延滞を防ぐための工夫は可能です。
1. 春か秋のベストシーズンを狙う
雨が少なく気候が安定している「4月〜5月」や「10月〜11月」は、外壁塗装のベストシーズンです。この時期に予約を入れれば、天候による中断のリスクを最小限に抑えられ、予定通りに工事が進みやすくなります。
2. 工程表を事前にもらい、連絡を密にする
契約後に「いつ、どの作業をするか」が書かれた工程表を必ずもらいましょう。また、その日の作業終了時に「明日の作業内容」を報告してくれる誠実な業者を選ぶことも、トラブルを防ぐ鍵となります。
3. 優良な施工業者を選ぶ
極端に短い工期(例:5日間で全部終わる等)を提示する業者には注意が必要です。乾燥時間を無視した手抜き工事の可能性があります。逆に、段取りの悪い業者も工期がダラダラと延びる原因になります。実績が豊富で、スケジュール管理がしっかりしている業者を選びましょう。
まとめ:外壁塗装は2週間を目安に計画を立てよう
外壁塗装にかかる期間は、標準的な戸建てで10日〜14日です。この期間は、家を守るための大切なメンテナンスの時間です。洗濯物や窓の開閉など多少の不便は伴いますが、各工程の意味を理解し、しっかりと乾燥・施工を行うことが、結果として満足度の高いリフォームにつながります。
もし工期が延びてしまったとしても、「しっかりと乾燥させてくれているんだな」「雨の中無理に塗らずに品質を守ってくれているんだな」と前向きに捉えることも大切です。余裕を持ったスケジュールで、信頼できる業者とともに美しい住まいを取り戻しましょう。


